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PRP療法は肉離れに効くのか?—順天堂大学の報告と最新エビデンスから考える

[2025.10.11]

肉離れは、スポーツ外傷の中でも最も再発率が高いケガの一つです。特にハムストリング肉離れはプロサッカー選手や陸上選手では、復帰までの期間(Return to Play; RTP)と再受傷防止が常に課題となっています。

当院でもアスリートの方や学生さんで肉離れをお越し相談されるケースが増えています。アスリートの方や学生さんは目指している大会や卒業などのデッドラインが決まっているので、以前の問題ない状態までいかなくても、今できる最高のパフォーマンスを出せるようにしたい、と考えるのは当然のことです。

そこで近年、PRP(多血小板血漿)療法が「組織修復を促す再生医療」として注目されていますが、実際にどの程度効果があるのでしょうか。今回は、少し前に順天堂大学が報告したプロサッカー選手20例の治療経験と、2025年の最新RCT(Eur J Orthop Surg Traumatol誌)を中心に整理します。

 


🏥順天堂大学の報告:プロサッカー選手20例の経験

順天堂大学整形外科・スポーツ診療科の小林洋平らは、
「プロサッカー選手のハムストリング肉離れに対するPRP療法20例の治療経験」を報告しました(日本整形外科スポーツ医学会 JOSKAS会議録)。

  • 対象:プロサッカー選手20例(主にハムストリング損傷、平均28.9歳)

  • 方法:超音波ガイド下にPRPを局所注入し、段階的リハビリを併用

  • 結果

    • 20例中1例(5%)で復帰後早期に同一筋の再受傷 (通常の再発率は12-33%程度)

    • 有害事象なし(感染・線維化なし)

    • 受傷から復帰までの期間は平均24.6日(95%CI:19.4-29.8)


🌍最新RCTの知見(Eur J Orthop Surg Traumatol 2025)

2025年の欧州整形外科外傷誌に掲載されたRCTでは、グレード2のハムストリング損傷患者を対象に、PRP群と生理食塩水群を比較したRCTを発表。(RCTとはランダム化比較試験のことで、本当にその治療が効くのか?を一番公平に確かめる方法)

  • PRP群は平均RTP期間が約5日短縮

  • MRI上の治癒所見も早期に出現

  • 痛みスコア(VAS)はPRP群で有意に改善

  • 有害事象は報告なし

 

いずれの論文も単一施設であり、RCTの論文の方も小規模試験(60例)なので、更なるエビデンス構築が望まれます。

しかし、肉離れに対するPRP治療は治療復帰までの期間を短縮するだけでなく、再発予防にも繋がりうるという結果が出ており、特にアスリートの方や学生さんの方(もちろん出場大会が決まっている市民ランナーの方も)では、良好な治療オプションになりうると考えています。

 

少し専門的になってしまいましたね。。

こう見えて論文を読むなどアカデミック(学術的)なことは好きな方なので、たまにはこんな内容もいいかな。

次回はもっとライトな内容にします😄

それではまた。

 

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