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腸頸靱帯炎・ランナー膝

腸頸靱帯炎・ランナー膝とは

腸頸靱帯炎は中長距離陸上選手に多く見られる代表的なランニング障害の一つで、ランナー膝とも呼ばれています。若年者やアスリートから昨今のランニングや健康指向から中高年の症例も多いです。腸頸靱帯とは膝の外側を走る靭帯のことで、腸頸靱帯と大腿骨外側上顆との間で摩擦が生じる事で炎症が起こり、疼痛を生じる病態です。

日本整形外科スポーツ医学会広報委員会 膝の慢性障害資料より転載

 

 

腸頸靱帯炎・ランナー膝のリスクファクター

  • 使いすぎ(オーバーユース)
  • アスリートなど一般の方よりも高い負荷をかけている方
  • 大腿骨外側上顆が解剖学的に大きい
  • O脚

 

腸頸靱帯炎・ランナー膝の診断

まずは膝の外側の部分に圧痛があるかを確認します。典型的にはランニング時に足が接地する時に痛みを自覚します。超音波検査やMRI検査を実施する事もありますが、所見がはっきりしないケースも多いです。(MRIや超音波検査で陽性となる場合は慢性例である事が多いとされています)MRI検査では腸頸靱帯と大腿骨外側上顆の間に以上信号が認められます。

 

腸頸靱帯炎・ランナー膝のMRI像

 

腸頸靱帯炎・ランナー膝の治療

急性期であれば、まずできるだけ使わないよう安静(ランニングの休止)にし、消炎鎮痛薬や湿布などで患部の炎症を抑えていきます。またフォームローラーなどを用いて腸頸靱帯をほぐしたり、ストレッチを行う事は非常に重要で、再発予防にも役立ちます。しかしそれらの治療では改善しない事も多く、その場合は下記の治療法を選択していきます。

 

ステロイド、ヒアルロン酸注射(保険診療)

疼痛が強い場合、腸頸靱帯と大腿骨外側上顆の間に超音波ガイド下に上記注射を行う場合があります。ステロイドは靭帯萎縮や断裂のリスクがあり少量・回数制限を設ける場合がほとんどです。

 

運動器カテーテル治療(自費診療)

腸頸靱帯炎・ランナー膝では腸頸靱帯深層にある脂肪組織の炎症と考えられており、慢性炎症に伴い病的新生血管(モヤモヤ血管)ができている事が多いです。運動器カテーテル治療はこの異常血管だけにフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回での治療となります。

運動器カテーテル治療についての詳細はこちら

 

腸頸靱帯炎・ランナー膝の血管造影像

 

PRP治療(自費診療)

PRP(Platelet Rich Plasma)治療=多血小板血漿療法は、患者様ご自身の血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」を疼痛部位に直接注射する治療法です。血小板には主に「血液を固めるはたらき」と「組織の修復を促す成長因子を出すはたらき」があり、後者の能力を使って、自分自身がもともと持っている修復力を引き出すことができる治療法です。

PRP治療についての詳細はこちら

 

手術

安静や上記の保存的治療で改善しない場合検討されますが、手術が必要となるケースは非常に稀とされます。

 

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。

 

参考文献:膝エコーのすべて 日本医事新報社 中瀬順介著

(文責:医師・医学博士 藤原圭史)

 

 

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