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足底腱膜炎

足底腱膜炎とは

足底腱膜炎はかかかとの骨から足の指の付け根にかけて足底腱膜という厚い膜があるのですが、その膜が踵にくっつくところにおける炎症(腱炎付着部炎)です。足底腱膜は足底の土踏まず(縦アーチ)を保持して、歩行やランニングによる衝撃を吸収する役割がありますが、歩行やランニングなどで腱への負担が大きくなると足底腱膜炎となり足の裏の痛みを感じます。中年の女性の方やスポーツ愛好家に多い傾向があります。

 

足底腱膜炎の症状

特長的な症状は、朝起きた最初の一歩目の痛みです。痛みの部位はかかとのやや内側のところの痛みで、日中活動するにつれてだんだん痛みが緩和される事が多いです。初期のころは運動中に痛いことはあまりなく、運動後に痛みが強くなることが一般的で、長期経過で慢性化すると、かかとの骨に骨棘(こつきょく)と呼ばれるトゲのような突起ができて、さらに痛みが増すことがあります。

足底腱膜炎の原因

足底腱膜炎の原因には様々なものがあり、加齢、肥満、スポーツによるオーバーユース(使いすぎ)、長時間の歩行やランニング、不適切なシューズの使用などが挙げられます。

足底腱膜炎の診断

問診や身体所見にて典型的な症状があるかどうか、また圧痛部位を確認します。その上で、レントゲンや超音波検査などの画像検査を行います。レントゲンでは骨棘の有無を確認できますが、最も有用な検査は超音波検査です。図のように腱の肥厚の有無を確認します。正常な腱であれば2-4mmですが、足底腱膜炎になると5mm以上に腱が腫れる事が多いです。

足底腱膜炎の治療

まずは安静、消炎鎮痛薬や湿布などの貼付薬にて経過観察します。その上で簡単な装具(インソール)を使用する事もあります。

 

動注治療・運動器カテーテル治療

足底腱膜炎を含む腱炎付着部炎では慢性炎症に伴う病的新生血管(モヤモヤ血管)ができている事が多いです。動注治療はこの異常血管だけをフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回での治療となりますが、経過によっては2回程度治療する場合もあります。

動注治療の詳細はこちら

運動器カテーテル治療の詳細はこちら

 

足底腱膜炎の血管造影像

 

体外衝撃波

患部を照射し病変部で痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚とするところにあります。治療効果は報告により様々ですが、痛みが50%以下になるのが67%という報告もあります。(1) また半年以上経過した難治性足底腱膜炎に対しては保険診療で行う事ができます。提携院の大府市の宮田整形外科・皮フ科で実施する事ができます。

宮田整形外科・皮フ科のHPはこちら

 

ステロイド注射

超音波ガイドで直接腱実質を穿刺しないようにステロイド注射をする事はあります。効果が出る人は早期に痛みが改善します。ただしステロイド注射は副作用のため年間で投与できる目安の量がありますので、繰り返し投与する事はできません。

 

手術

腱肥厚が著明な場合や保存的治療で痛みが緩和しない症例には、手術を検討する場合があります。具体的には足底腱膜を付着部から切り離す手術や、骨棘を切除する方法がありますが、手術をしても除痛できない場合もあり、適応は慎重に決めていきます。

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。

 

(文責:医師・医学博士 藤原圭史) 

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