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かくれ貧血による体の痛み

近年、体のだるさや肩こり、うつなどの症状が貧血と大きく関わり

があることがわかってきました。

健診の採血で異常がなくても、「かくれ貧血」があるかもしれません。

 

貧血(潜在的鉄不足)による体の痛み 

貧血(潜在的鉄不足)による体の痛みについてはあまり知られていません。かくゆう私自身も数年前までは貧血で痛みが出ると信じていませんでした。しかし貧血を改善するといままで原因がよくわかっていなかった痛みが改善するという症例を多数経験したことから、自分の考えを改め、このことを多くの人に知ってほしいと思い、当クリニックでは積極的に鉄不足の痛みについての治療を行なっております。

 

貧血(潜在的鉄不足)の原因

鉄不足は女性に多い病気です。女性は生理や出産によって鉄不足に陥ることが多く、また食事も欧米に比べて鉄分を多く肉の摂取量が低く、実は日本人女性のほとんどは鉄不足になっていると言えます。

私たちの体内には3-4gの鉄が存在しています。そのうち60-70%が赤血球中のヘモグロビンに含まれていますが、残りの30-40%の多くはフェリチン(貯蔵鉄)という形で存在しています。ヘモグロビンは検診でも測定するのでみなさん馴染みがあると思いますが、下の図のようにヘモグロビンが正常でもフェリチンが不足している方が女性を中心にいらっしゃいます。その場合潜在的鉄不足による貧血(かくれ貧血)と考えられます。

 

女性の中でも

産後・子育て中の方

ベジタリアンの方(お肉を食べない方)

過度のダイエットをしている方 などは鉄不足による症状が強く出やすいとされています。

 

貧血(潜在的鉄不足)の症状

・肩こり

・背中の痛み、だるさ

・変形やリウマチがないのに指の痛みがある

・体がだるい・重い

・イライラする

 

など症状は多岐に渡ります。

この貧血(潜在的鉄不足)という状態は、実は痛み領域よりも「うつ病」などを扱う精神科・心療内科の領域でトピックになっているようで、うつを訴える女性の一定数は鉄不足が原因であり、十分な鉄分の摂取により症状が改善するケースが増えているといいます。

 

貧血(潜在的鉄不足)の診断・治療

採血にて診断します。採血項目の中でも特にフェリチンという項目を測定し、一定基準を下回っていれば鉄剤補充により症状改善が期待できます。フェリチンは肝臓や脾臓などに存在する鉄を含有するタンパク質で、体内に鉄を貯蔵する役割を果たしています。お金を例として表すと

 

ヘモグロビン(Hb)=サイフの中のお金

フェリチン = 銀行口座のお金 (貯金)

 

と言い換える事もできます。サイフに3万円入っていても、銀行に500円しかなければ貯金不足ですよね? 鉄も同じことがいえます。

治療は鉄剤内服や赤身の肉や魚を中心とした食事が重要ですが、鉄剤は副作用として嘔気が出やすく、女性は量が食べれないことも多く、難しい場合もあります。その場合は、サプリメントが効果的です。フェロケルというキレート鉄のサプリメントは一ヶ月あたり1000円くらいで負担も少なく、お勧めしています。

 

これらの治療は大府市の宮田整形外科・皮フ科でも行なっています。大府市がお近くの方はそちらの受診でも対応しておりますので、ご検討ください。

文責:医師・医学博士 藤原圭史

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