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五十肩・肩関節周囲炎

たかが五十肩、されど五十肩

痛み止めと理学療法をしているけど、よくならない。
肩の痛みで寝れないのでなんとかしてほしい。

運動器超音波の出現で五十肩の診療が大きく変わり、進歩しました。
適切な治療を提案させて頂きますので、是非一度ご相談ください。

 

五十肩(肩関節周囲炎)とは

肩関節は骨以外にも筋や腱、靭帯、関節を包んでいる膜(滑液包・関節包)などの軟部組織から構成されます。この軟部組織に炎症と可動域制限を特徴とした疾患を肩関節周囲炎(五十肩)といい、40歳以降に好発します。肩関節周囲炎の中には、腱板というインナーマッスルのスジに炎症(腱板炎)や、上腕二頭筋のスジの炎症(上腕二頭筋長頭腱炎)や腱板疎部炎などが含まれます。

 

五十肩(肩関節周囲炎)の症状

肩関節周囲炎の症状は炎症期、拘縮期に分かれて考えられる事が多いです。
まず炎症期では安静時痛や夜間痛などが見られ、肩を動かすと疼痛のため制限されるようになり、徐々に可動域が制限されていきます。次に拘縮期ですが、

必ずしも上記の典型的な症状通りに進まない場合もあります。よく五十肩は半年程がまんすればよくなると言われますが、数年以上苦しまれる場合も経験します。過去の報告では肩関節周囲炎は無治療であれば通常1-4年ほど改善までかかると報告されています。

 

五十肩(肩関節周囲炎)の原因

肩関節に微細な損傷が生じて、関節内やその周囲に炎症が生じることが原因と言われています。炎症が生じる事で関節周囲の滑液包や筋が癒着して動かなくなり、炎症が強くなると夜間や安静時にも痛みが生じます。

問診、画像検査、可動域測定などの検査を行い診断します。画像検査では通常レントゲン撮影を行うことが多いですが、石灰沈着性腱板炎以外の場合は異常所見はありません。個人的には超音波検査が、血流シグナルが滑膜や腱内部に増加している所見も確認でき(図、赤い部分が血流シグナルです)、また腱板損傷を併発しているかもわかるので、非常に有用な検査となっています。

 

五十肩(肩関節周囲炎)の治療

まずは消炎鎮痛薬や湿布などの貼付薬にて経過観察します。

その上で簡単な装具(サポーター)を使用する事もあります。

超音波下ガイド下ステロイド注射、ヒアルロン酸注射

超音波ガイドに関節・滑液包や烏口上腕靭帯、関節腔内に直接薬液を注入します。当院ではステロイドを用いる事が多いですが、症状や経過で薬を変えています。注射で効果が出る人は早期に痛みが改善します。ただし、ステロイド注射の場合は年間で投与できる目安の量があり、繰り返し投与すると腱や靱帯を萎縮・断裂させる可能性があるので、頻回の投与はおすすめしません。

 

超音波ガイド下 肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)への注射の実際

 

運動器カテーテル治療

肩関節周囲炎の痛みのように慢性炎症に伴う痛みの場合、病的新生血管(モヤモヤ血管)が超音波検査などで確認できる事が多いです。運動器カテーテル治療はこの異常血管だけをフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回で完結する治療法となります。

運動器カテーテル治療の詳細はこちら

 

サイレントマニュピレーション(非観血的関節受動術)

肩関節周囲炎の症状が長期に及ぶと、関節包(関節を包む袋)や滑液包(肩関節の動きをよくする袋)が癒着や拘縮し、可動域制限がなかなか改善しない場合があります。術後早期から肩関節の可動域が改善し、痛みもよくなります。

サイレントマニュピレーションの詳細はこちら

 

手術

関節鏡下受動術

手術まで行く事は非常に稀ですが、いずれの治療でも可動域制限が高度で改善しない場合に検討する事があります。

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。いずれの治療でも理学療法は必須となる事が多いです。

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