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アキレス腱炎

アキレス腱炎とは

ふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結ぶ、太い腱をアキレス腱と呼び、その腱に炎症を起こした状態です。ランニングなどの運動で繰り返し負荷がかかった時に起こるとされ、安静で痛みが速やかにとれる方もいますが、なかなか痛みがとれなかったり、再発を繰り返す人も少なくありません。

 

アキレス腱炎には以下の3つの種類があるとされています。

①アキレス腱症(アキレス腱実質の炎症)Mid-portion achilles tendinopathy

②アキレス腱付着部炎(踵骨付着部の炎症)Insertional achilles tendinopathy

③アキレス腱周囲炎(アキレス腱周囲の炎症)  Paratendinopathy

 

②と③は混在している場合も多いです。下の動画で左側にみられるのはアキレス腱付着部・周囲の炎症所見(赤くなっているところ)、右側はアキレス腱実質の炎症所見を示します。

 

②アキレス腱付着部炎や③アキレス腱周囲炎の場合は、足関節を底屈させても圧痛部位が変化せず、①アキレス腱症の場合は底屈させると痛みの部位が変化しますが、理学所見ではわかりにくい事も多く超音波検査での診断が重要とされています。

 

アキレス腱炎のリスクファクター

  • 使いすぎ(オーバーユース)
  • 運動習慣がないのに、いきなり運動をしてしまった時
  • 扁平足
  • 走り方(フォーム)に癖がある方
  • 底のすり減った靴を履いている方

 

アキレス腱炎の診断

まずは圧痛の部位を確認します。また足関節を動かした時に、痛みの場所が移動するとアキレス腱炎(アキレス腱症)、痛みの場所が変わらなければアキレス腱付着部炎・周囲炎が疑われます。診断は超音波検査(エコー)が有用で、腱肥厚や腱実質・腱周囲に血流シグナル(もやもや血管)の増加がないか確認します

 

アキレス腱炎の超音波像

 

アキレス腱炎の治療

急性期であれば、まずできるだけ使わないよう安静にし、消炎鎮痛薬や湿布などで患部の炎症を抑えていきます。また足の形状や使い方のクセなどから負担がかかっているクセを探り、ストレッチやインソールをにより痛みを軽減していきます。

しかしそれらの治療では改善しない事も多く、その場合は下記の治療法を選択していきます。

 

運動器カテーテル治療・動注治療(自費診療)

アキレス腱炎などの腱炎付着部炎では、慢性炎症に伴う病的新生血管(モヤモヤ血管)ができている事が多いです。運動器カテーテル治療はこの異常血管だけにフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回での治療となります。

運動器カテーテル治療についての詳細はこちら

動注治療の詳細はこちら 

アキレス腱炎の血管造影像(動画)

 

 

自己組織注入治療(自費診療)

自己組織注入治療は、患者様の自己組織を疼痛部位に直接注射する治療法です。自己組織(血小板)には主に「血液を固めるはたらき」と「組織の修復を促す成長因子を出すはたらき」があり、後者の能力を使って、自分自身がもともと持っている修復力を引き出すことができる治療法です。

新しい再生医療注射の詳細はこちら

 

体外衝撃波(自費診療)

患部を照射し病変部で痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚とするところにあります。提携院の大府市の宮田整形外科・皮フ科で実施する事ができます。

体外衝撃波についてはこちら(宮田整形外科Hp

 

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。

(文責:医師・医学博士 藤原圭史)

 

 

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