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上腕骨外側上顆炎・テニス肘

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは

肘の外側の骨(外側上顆)には、手首や指をのばす筋肉の腱が集中してついています。上腕骨外側上顆炎(テニス肘)とは骨と腱の結合部に炎症を伴う状態のことをいいます。状態がひどい場合は、日常生活レベル(フライパンをもつなど)で痛みが生じ得ます。テニスと名前が入っていますが、必ずしもテニスをしている人にだけ生じるわけではありません。最近はゲームや動画を見るなど長時間スマートフォンをいじっていることでも発症することがあるため、「スマホ肘」と呼ばれることもあります。

(画像引用)Mindsガイドラインライブラリ
肘が痛い方のために 診療ガイドラインに基づいた上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の症状

物をつかんで持ち上げたり、スマホを使っている時などに肘の外側が痛くなります。多くの場合は安静時の痛みはありませんが、重度になりますと安静時にも痛みを自覚するようになります。

 

 

 

 

 

 

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の原因

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の原因には様々なものがありますが、以下の2つが主な原因と考えられています。

①使いすぎ(オーバーユース)

繰り返し手首や指を伸ばしたりする動作をすることで炎症が起こります。テニスのバックハンドを繰り返すことでなりやすいことから「テニス」肘という名前がついています。

②加齢

加齢により筋肉の質が低下し、柔軟性が失われ繰り返しの刺激に弱くなるとされています。

 

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の診断

まずは圧痛の部位を確認します。典型的には肘の外側の骨(外側上顆)を押さえると痛みが生じます。加えて手関節進展テストなどを行い、その上でレントゲンや超音波検査などの画像検査を行いますが、レントゲンでは異常所見が見られない事も多いです。超音波検査での診断が最も簡便で確実と考えており、図のように超音波検査で腱肥厚や血流シグナル(もやもや血管)が陽性となれば診断できます。

 

テニス肘(上腕骨外側上顆炎)の超音波像

 

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の治療では、まずはできるだけ手首や肘を使わないように安静にし、消炎鎮痛薬や湿布、肘用ベルトなどの装具を併用して治療していきます。しかしそれらの治療では改善しない事も多く、その場合は下記の治療法を選択していきます。保険診療と自費治療を含めた治療戦略としては下記の図になります。

 

ステロイド注射(保険診療)

超音波ガイドに腱周囲に直接ステロイドを注入します。効果が出る人は早期に痛みが改善します。ただし、ステロイド注射は年間で投与できる目安の量があり、腱や靭帯を萎縮させる副作用があります。また繰り返しステロイド注射を行うと再発率が5倍ほど上昇するというデータがあり、多くとも2回程度までにとどめた方がいいと考えます。(1)

(1)Coombes BK et al. JAMA. United States; 2013;309:461–9.

 

動注治療・運動器カテーテル治療(自費診療)

上腕骨外側上顆炎(テニス肘)などの腱炎付着部炎では、慢性炎症に伴う病的新生血管(モヤモヤ血管)ができている事が多いです。動注治療・カテーテル治療はこの異常血管だけにフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回での治療となりますが、経過によっては2回程度治療する場合もあります。

動注治療の詳細はこちら

運動器カテーテル治療の詳細はこちら

PRP治療(自費診療)

PRP(Platelet Rich Plasma)治療=多血小板血漿療法は、患者様ご自身の血液から抽出した「多血小板血漿(PRP)」を疼痛部位に直接注射する治療法です。血小板には主に「血液を固めるはたらき」と「組織の修復を促す成長因子を出すはたらき」があり、後者の能力を使って、自分自身がもともと持っている修復力を引き出すことができる治療法です。

PRP治療の詳細はこちら

 

体外衝撃波(自費診療)

患部を照射し病変部で痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚とするところにあります。治療効果は報告により様々ですが、ガイドラインではテニス肘に対する効果は懐疑的なようです。提携院の大府市の宮田整形外科・皮フ科で実施する事ができます。

体外衝撃波についてはこちら(宮田整形外科Hp)

 

手術

腱肥厚が著明な場合や保存的治療で痛みが緩和しない症例には、手術を検討する場合があります。具体的には短橈側手根伸筋腱を付着部から切り離す手術になりますが、あまり積極的に手術を行う事は少ないとされます。必要に応じて適切な医療機関への紹介を行います。

 

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。

(文責:医師・医学博士 藤原圭史)

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