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胸郭出口症候群

胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)は、首から腕にかけて走行する神経や血管が、胸郭出口と呼ばれる狭い隙間で圧迫されることにより、肩から手先にかけての痛みやしびれ、だるさ、握力の低下、手のむくみ、手の蒼白感などの症状が現れる疾患です。圧迫されるのは腕神経叢(特に下位)、鎖骨下動静脈のことが多いです。20-50歳に多く、特に女性に多いとされています。

胸郭出口症候群は神経型と血管型がありますが、90%は神経型と考えられています。

 

胸郭出口症候群の症状

  • 腕や手のしびれ、痛み
  • 肩や腕、肩甲骨周囲の痛み
  • 前腕尺側と手の小指側に沿ったうずくような痛みやしびれ感
  • 手の握力低下や細かい動作の困難さ
  • 手指の運動障害や握力低下に伴う手内筋の萎縮
  • 鎖骨下動脈が圧迫されることによる腕の蒼白化や痛み
  • 鎖骨下静脈が圧迫されることによる手・腕の青紫色化

 

胸郭出口症候群の原因

解剖学的は素因の影響が大きく、頚肋(余分な肋骨が首の骨の下部に生える状態、日本人の1,2%に存在)や斜角筋三角底辺距離(ISD)の狭小化(正常は10mm以上、超音波検査で診断可能)が関与すると言われ、なで肩やいかり肩、交通事故やオーバーヘッドスポーツなども関与する考えられています。

@yujikawa32(ユジカワ先生)資料より転載 許可済

 

胸郭出口症候群の診断

胸郭出口症候群の診断には、胸部レントゲン検査やCT検査で頚肋や第1肋骨の奇形を確認します。また、末梢神経障害の確認のために針筋電図を用いた電気生理学的検査を行うこともあります。さらに、超音波診断装置を用いた斜角筋の形状評価や、パワードプラーを用いた鎖骨下動脈の血流評価を行います。

 

胸郭出口症候群の治療

治療はリハビリや日常生活動作の改善が主となり、保存的治療で約6割の人は症状が落ち着きます。具体的には、姿勢の改善や肩や腕のストレッチが効果的です。姿勢を改善しても症状が持続する場合は、しびれを緩和する薬の服用や、神経が圧迫されている部位への超音波ガイド下頸部神経根ブロックを行うことがあります。手術で神経の通路を広げることもありますが、手術を行うケースは多くありません。また運動器カテーテル治療を行うことで症状の緩和が得られるケースもあります。

神経根ブロック治療の詳細はこちら

運動器カテーテル治療の詳細はこちら

 

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。

(文責:医師・医学博士 藤原圭史)

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