血栓性静脈炎
足が急に赤く腫れて痛い。
足の血管が硬くしこりを触れる。
その症状、血栓性静脈炎かもしれません。
適切な治療を提案させて頂きますので、是非一度ご相談ください。
血栓性静脈炎とは
血栓性静脈炎とは、静脈内に血栓(血のかたまり)ができ、その部分が炎症を起こす病気です。特に下肢(足)の静脈で発生しやすく、「表在性血栓性静脈炎」と「深部静脈血栓症(DVT)」の2種類に分けられますが、今回は表在性血栓性静脈炎について説明します。
血栓性静脈炎の症状
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皮膚の発赤・腫れ
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痛み(圧痛)
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熱感
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硬いしこりのような感触(表在性血栓性静脈炎の場合)
鑑別疾患として血栓性静脈炎は、蜂窩織炎や脂肪皮膚硬化症の急性増悪とよく間違われるため,鑑別診断が重要で、専門医による診断が必要です。蜂窩織炎は発赤,腫脹はほぼ全周性で,時に全身性の発熱を伴います。脂肪皮膚硬化症の急性増悪は主にくるぶし周辺に起こり,もともとの脂肪皮膚硬化症のため静脈周囲の皮下組織が硬化し,茶褐色の色素沈着があり、静脈瘤部分は軟らかいままであることが特徴です。
血栓性静脈炎の原因
血栓性静脈炎の主な原因には、以下のようなものがあります。
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下肢静脈瘤
- 長時間の同じ姿勢(デスクワーク・長距離移動など)
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外傷や静脈への刺激(点滴・カテーテル留置など)
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妊娠・出産
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手術後の安静状態
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血液の凝固異常
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喫煙・肥満・脱水 など
血栓性静脈炎の治療
治療は鎮痛薬と弾性ストッキングによる圧迫療法が基本となります。
ただ発症から2週間以内で,疼痛が強い場合は血栓除去を行います。血栓除去は早期に行えば行うほど効果が高く,炎症後の色素沈着も軽くなります。翌日には炎症は治まり,痛みも劇的に改善しています。残った血栓は硬いしこりとして触れますが,半年〜1年で自然に吸収されます。
感染ではないので抗菌薬は必要ありません。
除去した血栓