首こり・頸部痛(くびの痛み)
首こり・頚部痛とは
肩こりは病名では無く症候群です。首筋から肩にかけての痛みやだるさなどの症状を指します。さまざまな病気で「首こり」と同様の症状になります。例えば、頸椎症性神経根症、頸椎椎間板ヘルニアなどの整形外科疾患や、椎骨動脈解離などの血管疾患でも首こり・頚部痛を自覚し、「肩こり」と表現される事もあります。特に血管病変は命に関わる事もあり、慎重に診断する事が重要です。
首こり・頚部痛の治療
頚部痛・首こりの場合、頸椎椎間板ヘルニアや頸椎症性神経根症などの可能性があるので、臨床的にそれらの症状ではないと判断した場合、下記の治療を検討します。
ハイドロリリース
この注射は生理食塩水などを超音波ガイドに筋膜に直接注入する治療法です。原因の項でも触れましたが、首こりの場合は筋膜や神経が癒着している事が多く、液体を注入することで癒着をはがし改善させるという治療法です。ただ首こりのハイドロリリースは肩こりと比べて効果が出にくい印象です。治療は超音波を見ながら大後頭神経周囲に液体を注入していきます。
運動器カテーテル治療
首こりの人には筋膜などの組織に異常な血管ができている事が多く、カテーテル治療にて異常血管を塞栓(フタ)をする治療です。
鉄剤補充
特に女性に多いですが、採血にてフェリチンという貯蔵鉄のマーカーが低ければ、鉄剤やサプリメントで鉄分を補うと症状が改善する事が多いです。通常の検診などで測定するヘモグロビンだけでは鉄不足かどうかはわからないので、フェリチンの測定が重要です。
治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29134424/