メニュー

ハムストリング付着部炎

ハムストリング付着部炎とは

特徴的なのは、お尻の奥に生じる鈍い痛みです。座っていると徐々に痛みが強くなったり、立ち上がる瞬間や走り出しで鋭い痛みを感じることもあります。症状が進行すると、歩行や階段昇降など日常生活動作でも痛みが出るようになり、ストレッチや前屈動作でさらに痛みが増す場合があります。朝起きたときのこわばりや、股関節・膝の動きが制限されることも少なくありません。

 

ハムストリング付着部炎の症状

物をつかんで持ち上げたり、スマホを使っている時などに肘の外側が痛くなります。多くの場合は安静時の痛みはありませんが、重度になりますと安静時にも痛みを自覚するようになります。

 

ハムストリング付着部炎の原因

発症の背景には、運動や姿勢による繰り返しの牽引ストレスが関与します。特に柔軟性の低下、ウォームアップ不足、骨盤や姿勢のゆがみがある場合、付着部への負担が増しやすくなります。スポーツだけでなく、長時間座り続ける習慣や急な運動量の増加もリスク要因となります。

 

ハムストリング付着部炎の診断

まずは圧痛の部位を確認します。典型的には肘の外側の骨(外側上顆)を押さえると痛みが生じます。加えて手関節進展テストなどを行い、その上でレントゲンや超音波検査などの画像検査を行いますが、レントゲンでは異常所見が見られない事も多いです。超音波検査での診断が最も簡便で確実と考えており、図のように超音波検査で腱肥厚や血流シグナル(もやもや血管)が陽性となれば診断できます。

ハムストリング付着部炎のMRI像、正常像との対比

 

ハムストリング付着部炎の治療

初期は保存療法が中心となります。運動の制限、アイシング、ストレッチ、物理療法、鍼灸、マッサージなどで炎症の軽減と血流改善を図ります。十分な休養と柔軟性回復のためのリハビリは再発予防にも重要です。


保存療法で改善しない場合や、MRIで異常血管(異常信号)が確認された場合は、カテーテルを用いた血管塞栓術(運動器カテーテル治療)が有効です。これは炎症を引き起こす異常血管を選択的に塞ぐ低侵襲治療で、日帰り治療が可能です。スポーツ選手の中には、治療後数週間で競技復帰を果たすケースもあります。

 

運動器カテーテル治療(自費診療)

ハムストリング付着部炎などの腱炎付着部炎では、慢性炎症に伴う病的新生血管(モヤモヤ血管)ができている事が多いです。動注治療・カテーテル治療はこの異常血管だけにフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回での治療となりますが、経過によっては2回程度治療する場合もあります。

運動器カテーテル治療の詳細はこちら

 

自己組織注入治療(自費診療)

新しい注入治療は、患者様の自己組織を疼痛部位に直接注射する治療法です。自己組織(血小板)には主に「血液を固めるはたらき」と「組織の修復を促す成長因子を出すはたらき」があり、後者の能力を使って、自分自身がもともと持っている修復力を引き出すことができる治療法です。

自己組織注入治療についてはこちら

 

体外衝撃波(自費診療)

患部を照射し病変部で痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚とするところにあります。治療効果は報告により様々ですが、ガイドラインではテニス肘に対する効果は懐疑的なようです。提携院の大府市の宮田整形外科・皮フ科で実施する事ができます。

体外衝撃波についてはこちら(宮田整形外科Hp)

 

予防とセルフケア

発症や再発を防ぐには、運動前後の十分なウォームアップとクールダウン、股関節・太もも裏のストレッチ、体幹や臀部の筋力強化が有効です。長時間座る場合は、こまめに立ち上がってストレッチを行い、坐骨部への負担を軽減する工夫をしましょう。

治療は症状などと合わせて適切な治療を選択していきます。

(文責:医師・医学博士 藤原圭史)

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME