人工関節置換術後の痛み
人工関節置換術後の痛みとは
日本において変形性膝関節症に対する人工関節置換術(total knee replacement)の件数は高齢化により、年々増加しています。しかし手術された方の中で、術後に痛みを自覚する方がいらっしゃる事がわかっており、15%程度の方が3年程度持続していると報告されています。(1) その場合レントゲンやMRIなどでも痛みの原因がわからない事が多く、痛みが長期間続くと疼痛が遷延化し(2)、手術したのに日常生活や生活の質に影響を与える可能性があります。
人工関節置換術後の原因
さまざまな報告がされていますが、
・年齢
・もともとの関節可動域
・手術に伴う微細な組織損傷・神経損傷
・精神心理学的な影響
などが挙げられています。
人工関節置換術後の治療法
運動器カテーテル治療
人工関節置換術後の痛みは難しく、簡単に痛みが取れない事も多いです。痛みの原因が慢性炎症によるものであれば、図のように病的新生血管が認められます。その運動器カテーテル治療はこの異常血管だけをフタ(塞栓)し、炎症を改善し痛みを緩和する方法です。基本的には1回での治療となります。詳細は下記のページをご覧ください。
(1) Hofmann S, Seitlinger G, Djahani O, et al.: The painful knee after TKA: a diagnostic algorithm for failure analysis. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc, 2011, 19: 1442-1452.
(2)Ramlall Y, Andrion JJ, Cameron HU, et al.: Examining pain before and after primary total knee replacement (TKR): a retrospective chart review. Int J Orthop Trauma Nurs, 2019, 34: 43-47